(社)日本機械学会関西支部


平成19年度「メカライフの世界」展を終えて
(平成19年11月17日〜18日)
メカライフの世界展実行委員会 委員長 奥 圭介


 昨今の青少年の理工系離れの原因として,机上の理論の理解のみで,実際に「もの」に触れて感動する機会が少ないことなどが挙げられます.(社)日本機械学会 関西学生会では,様々な物理現象の実演・体験や,様々な機械で楽しく遊ぶことを通して,広く科学への興味を持ってもらう機会を社会へ提供することを目的として,神戸市立青少年科学館にて「メカライフの世界」展を開催致しました.
 初めての神戸地区開催でしたが,新聞・KSMニュース(科学館情報誌)等の効果もあり,初日は300名,二日目は538名の合計838名という昨年度を上回る入場者がありました.来場された方は主に小学校低学年の子供達とその家族でした.
 子供達はまず,科学館入口にてフォーミュラーカーに試乗し,楽しそうにハンドルを握り記念撮影を行っていました.さらに展示場に来た子供達の大半はホバークラフトに試乗し,学生の補助のもと,アクロバティックな動きに歓声をあげていました.大人はホバークラフトの説明文を読み,その用途等に関して学生に質問していました.また展示コーナーでは機械模型・形状記憶合金が特に人気でした.子供達は実際に機械に触れ,また形状記憶合金の形が戻る現象に不思議そうに見入っていました.他にもプレートを置くだけで音が消える消音機や,バーナーで温めると動き出すスターリングエンジン,手で触っても倒れない倒立振り子,空気砲を使った的倒し等,子供達は目の前で次から次へと起こる機械の不思議な現象を見ながら,何故そのような事が起こるのかと学生や大人に質問していました.それに対し大人も真剣に原理や用途について学生に質問し,学生と共に子供達に教えていました.ロボットのコーナーでは子供達が学生の製作したロボットと触れ合っていました.またレスキューロボットのブースでは絶えず人盛りがあり,子供達がロボットを操縦し,ロボットが捉える瓦礫の中の映像を真剣に見ていました.このような,来場者に実際に体験していただく展示については,アンケートの回答でも『体験型の展示会にしており,内容はおもしろい』とのご意見をいただきました.一方で,『企画はよかったが小学校中,低学年にはすこし難しかった.』とのご意見もいただき,もう少し原理をわかり易く説明するための工夫が次回の課題ではないかと思います.
 有料工作コーナー,無料工作コーナー共に本年度も好評でした.特に有料工作コーナーは,朝の一部を除いて全ての工作ブースが休み無く稼動し,二日間で合計165個売れ,アンケートでも『有料コーナー(てんとう虫作り)の学生さんは大変良かった.小さい子供にわかりやすい指導でした』とのご意見をいただきました.
 以上,本年度の「メカライフの世界」展は,実際のものに触れて体験してもらうことによって,地域の小・中学生の科学技術への理解・関心を高めることが出来たと思います.さらに工作によってものづくりへの興味を持たせることができ,小・中学生の子供達が大学生とものづくりを通して交流を深めるという意味でも非常に良い成果を挙げることが出来たと思います.

     

     
 



参考:平成19年度「メカライフの世界」展のご案内


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