見学会:履歴(過去の手記)
日本機械学会関西支部 2015.3.20公開

       
第90期定時総会見学会参加記録
       
開催日 2015年3月13日(金)
見学先 (株)堀場製作所 本社工場
参加人数 20名
       
 今回見学させていただいた(株)堀場製作所は1953年創業,京都市南区に本社を置く,自動車計測機器,環境用計測機器,科学計測機器,医用計測機器,半導体用計測機器などのさまざまな製品を製造販売しているメーカーです.「おもしろおかしく」を社是に,環境保全,安全や健康,さらにはエネルギー問題の改善に貢献されています.
 当日は,まず会社概要をビデオにてご紹介いただいた後,分析アプリケーションセンターと自動車計測分野の研究開発ラボラトリーを2班に分れて見学させていただきました.分析アプリケーションセンターでは,1952年につくられたガラス電極式pHメータから最新製品までの変遷,環境放射線モニタ,車検で使用される排ガス計測機器などを見学させて頂きました.展示されていた計測機器の多くが,日常目にすることの少ない計測機器ばかりでしたが,それらの計測原理や使われ方の説明をお聞きすることで,高精度な計測技術が普段の生活とどのように繋がっているかを知ることができました.研究開発ラボラトリーでは,シャシダイナモ上の車両で路上走行を想定して測定される排ガス計測設備,自動運転のための制御機器の見学のほか,E-Motorの評価システムについても説明していただきました.見学者の方々も,案内いただいた方々に熱心に質問され,堀場製作所のコア技術である計測技術と自動車,環境プロセス,医療などの製品との関係について理解を深めることができました.
 見学会の後半には中村博司 動車計測事業戦略室室長様より,「大気環境・排ガス計測に関する最近の話題」と題して話題提供をしていただきました.排ガス計測に関しては,化学スモッグとNOxの計測のお話しから始まり,最近のNOx計測の方法についてご説明していただきました.三元触媒によるガソリン車の排ガス浄化の原理,EGR技術,尿素SCRシステム等により浄化された排ガス中の微量なNOxをどのように精度よく計測するかについて,丁寧に説明していただきました.大気環境についても,CO2濃度の計測に関する水分の影響やPM2.5生成メカニズムとその計測方法など,計測技術の多岐にわたる内容を丁寧にご説明いただき,その後の質疑応答では活発な議論が行われました.身近でありながら,なかなか知ることのできない大気環境について学ぶことができ,大変有意義なものとなりました.
 最後になりましたが,見学会を開催するに当たり多大なご協力をいただきました堀場製作所の関係各位に心より感謝を申し上げます.


  株式会社クボタ 吉川浩司