見学会
日本機械学会関西支部 2014.5.9公開

       
第89期定時総会見学会参加記録
       
開催日 2014年3月20日(木)
見学先 独立行政法人 造幣局 本局
参加人数 28名
       
 今回見学させていただいた「桜の通り抜け」で有名な造幣局(本局)は,明治4年(1871年)に近代国家として全国統一の新たな貨幣制度を確立するため,大阪の地に開設されて以来140年を超えて国民生活に不可欠な貨幣について必要十分な量を安定的かつ確実に製造し,供給しています.造幣局の高い貨幣製造技術は世界にも認められ,バングラデッシュ貨幣の製造を受注されるなど国内外に事業を展開されています.
 当日は通り抜けの桜にはまだ早い時期ではありましたが,早咲き品種の桜がいくらか咲いている中での見学会となりました。まず造幣局の概要をビデオにてご紹介いただいた後,2班に分れて貨幣工場と装金課を見学させていただきました.
 貨幣工場では,私たちが普段から目にする硬貨が製造されていました.この工場では広島工場にて圧延されたロール材から円形(えんぎょう)に打ち抜かれてから計数されるまでの行程を一通り見学いたしました.製造ラインはかなりの部分が自動化され硬貨が次々と製造されていく過程は非常に興味深いものでした.
 さらに造幣局殿のご好意により普段の一般見学では見ることの出来ない装金課の見学もさせていただきました.こちらは貨幣工場とは180°趣が異なり,紫綬褒章などで渡される勲章などを職人技で一つ一つ手作業により作られていく様子を見学いたしました.職人として一人前になるには10年程度を要するとのことで,造幣局の違った側面を知る非常に貴重な機会となりました.見学者の方々は,案内いただいた職員の方々に熱心に質問されていました.このほか造幣博物館の見学もさせていただき,造幣局の歴史や昔の貨幣や海外貨幣などについて学ぶことが出来ました.
 見学会の最後には造幣技術向上のため研究開発内容をご紹介いただきました.偽造防止技術の研究や記念硬貨などに用いられるカラー印刷貨幣,金属表面の微細加工技術の研究など多岐にわたる内容をご説明いただき,その後の質疑応答では活発な議論が行われました.
今回の見学会では近くにありながらなかなか知る機会のなかった造幣局について学ぶことができ,大変有意義なものとなりました.
 最後になりましたが,見学会を開催するに当たり多大なご協力をいただきました造幣局の関係各位に心より感謝を申し上げます.
     
     
 
 (当日の模様)