見学会:履歴(過去の手記)
日本機械学会関西支部 2020.1.8公開


第647回見学会参加記録

 開催日: 2019年9月27日(金)
 見学先: コマツ 大阪工場・生産技術開発センタ見学
 参加人数: 53名(正員22名,特別員9名,会員外7名,学生員8名,会員外学生4名,幹事2名,事務局1名)

【施設概要】
 コマツ大阪工場は1952年に開設し,ブルドーザー,油圧ショベルなどの主力工場です.生産・開発・研究の3部門が一体となり,品質と信頼性の高い製品を生産しています.同敷地内にある生産技術開発センタで技術開発したIoT技術であるKOM-MICSで,つながる工場の実現に取り組んでいます.


【見学内容】
 当日は,初めにコマツ大阪工場の歴史,研究・開発・生産における各種取組のご紹介を頂きました.特に,KOM-MICSによるつながる工場の実現に関して,開発経緯,そして生産技術開発センタから大阪工場へ,そして協力企業へとKOM-MICSを展開していった経緯について詳しくご講演いただきました.また,現場建設機械の稼働状況の見える化を実現するKOMTRAXについても紹介頂き,その後,施設見学へと移りました.
 施設見学では,溶接工程,熱処理工程,生産技術開発センタ,技能訓練センタ,グローバル販生オペレーションセンタと多くの施設を廻りました.まず,溶接工程,熱処理工程では,製造現場におけるKOM-MICS活用状況について詳しく解説頂き,生産技術開発センタでは,ソリューションの視点から,このKOM-MICSの教育とサポートを重視していることを説明頂きました.更に技能訓練センタにて,人を育てる技能伝承の取組について説明頂きました.また,グローバル販生オペレーションセンタでは,KOMTRAXによって世界中の現場機械の稼働状況をリアルタイムに把握できる様子を紹介頂きました.
 その後,KOM-MICSによって生産性を改善した最初の取組である溶接工程を題材に,設備毎にリアルタイムで稼働状況を把握することで得られた実際のデータをもとに,その分析方法も交えて詳しくご講演頂きました.また,KOM-MICSから取得した情報を3Dモデルと同期させながら表示することによる溶接状況の見える化について紹介頂きました.
 見学会の開催中は,参加者から活発な質問が途切れることなく発せられ,説明員の皆様に丁寧に対応して頂きました.このように,生産現場へのICT活用のリーディング企業に対する関心の高さが伺われ,大変,盛況な見学会となりました.


【謝辞】
 最後になりましたが,当日お世話になりましたコマツの皆様に心より感謝申し上げます.

   日本機械学会 関西支部 企画幹事
   吉田  毅(川崎重工業(株))
   競  昌也(パナソニック(株))