関西支部について
日本機械学会関西支部 2020.3.12更新

日本機械学会関西支部の活動報告(JSME-Kansai は今)



[1]日本機械学会関西支部の沿革と現況

沿革

 日本機械学会関西支部(JSME-Kansai)は、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県に在住、もしくはこれらの府県において事業を行っている関西地域の日本機械学会会員6555名(2019年9月末現在で正員5419名、学生員1013名、特別員123社)により構成されている。
 日本機械学会関西支部は機械工学分野の仕事に携わる研究者/技術者の交流、情報交換の場として、また「関西地方における、機械に関する学術の進展および技術の進歩をはかり、かつ工業の発展のために尽くす」ことを目的として1925年(大正14年)6月28日に設立された。以後、地域活動に基盤を置いて機械工学を含む工業分野の将来に向けての積極的な提言を行い、常に全国に先駆けたユニークな活動を行ってきている。


主な活動内容
 主な活動は、以下のように分けられる。
 1)研究発表・技術交流活動
  ・定時総会講演会、卒業研究発表講演会
  ・秋季技術交流フォーラム
 2)情報提供活動
  ・先端機械工学関連講習会(年6回開催)
  ・ステップアップセミナー(年1回開催)
  ・部門との合同企画講習会(随時)
  ・先端企業施設の見学会(年間2回程度開催)
  ・特別フォーラム(不定期に開催)
 3)懇話会活動(現在8グループが活動中)
 4)専門部会活動(現在5部会が活動中)
 5)学生会活動(工場見学会、「メカライフの世界」 展、卒業研究発表講演会の企画運営、など)
 6)シニア会活動(2006年4月設立)
 研究発表活動では毎年3月に定時総会講演会を開催し、一般講演と共にオ―ガナイズド方式の学術講演、フォーラム、ワークショップ等の場が設けられ、活発な学術情報交換を行っている。一方、秋には懇話会企画のもとに産学交流の場としての秋季技術交流フォーラムを開催している。2019年3月の定時総会講演会における総講演数は特別講演2件、基調講演4件、OS・一般講演・フォーラム・ワークショップ計188件、関西支部賞受賞記念講演2件の合計196件に達し、2019年10月開催の第20回秋季技術交流フォーラムにおける講演数は特別講演・基調講演を含めて30件を数えた。また、企画から運営まで学生会が自ら実施する卒業研究発表講演会では講演数が400件に達し、コメンテータとしての商議員やシニア会会員による的確な質疑応答により次世代を担う人材育成を図っている。
 情報提供活動では各種の講習会を開催し、機械工学における様々な問題解決に必要な技術情報を提供している。ステップアップセミナーでは、主として戦略的技術経営に関わるテーマを取り上げ、高い評価を受けている。また、2018年度は関西大学で開催された日本機械学会年次大会にて「意味的価値と機能的価値の関係性のデザイン ―機械工学の新たなチャレンジ―」と題した特別フォーラムを開催した。今年度も引き続き、「Society5.0がめざす新しい社会」と題した特別フォーラムを開催し、社会の中での機械工学のあり方に関する議論の場を提供している。
懇話会活動では、現在8つの懇話会がそれぞれ独自に研究会やシンポジウムを開催しており、活発な関西支部活動の中で、会員に密着した活動の一翼を担うと同時に、産学交流の促進と支部から全国に向けた情報発信に大きな役割を果たしている。
専門部会は5部会で構成され、主に年3回の関西支部商議員会後に話題提供(講演)を主とした活動が行われている。(懇話会活動および専門部会活動の詳細については関西支部のHPを参照。)
 2006年4月に発足したシニア会は、会員数が221名(2019年2月末現在)に達し、原則60歳以上の会員相互の交流と、豊富な経験に基づいた企業への技術支援や小学生対象の理科工作教室の開催など活発な活動を行い、日本機械学会本部および他支部からも注目を集めている。


「MECHAVOCATION」活動
 技術情報誌「MECHAVOCATION」は、1993年度に事業を開始して以来27年目を迎え、学生に対する進路情報誌としてはもちろん、大学等の研究と企業の技術を結びつける双方向の情報交換・技術交流の媒体としての役割を確立している。「MECHAVOCATION」では1998年度よりインターネット版を併設し、企業技術を詳しく紹介するとともに、「MECHAVOCATION」HPと企業HPとをリンクし、学生がさらに多くの企業情報を入手できるようにしている。また希望する企業には学生との双方向情報交換システム(エントリー機能)を導入している。さらに、技術情報誌としての性格をより明確にし、各大学・短大・高専の産学協同に関する取り組みについての情報を盛り込むなど、冊子、インタ―ネット版、併せて有益な情報を発信している。
今年度発行する「MECHAVOCATION2020」(冊子)は、関西地域の大学・短大・高専の最終学年へ進む機械系学生約6,000名、学校関係者および協賛企業に配布するだけでなく、機械系学科のある全国約160校の主要大学にも配布する。
また、産学連携の重要性の認識が高まる中で、関西支部では「MECHAVOCATION」が企業と学校関係者の技術情報交流のプラットフォームであることを活用し、2007年度から様々な交流事業を推進している。2018年12月の「学生のための企業技術発表会」には、企業から250名、学校から教員19名、学生375名の合計644名の参加があった。今年度は昨年度に引き続き6月に「協賛企業と学生員との意見交換会-インターンシップ編-」を試行し、12月に「学生のための企業技術発表会」、2月に「就職に関する企業と学校の交流会」、3月に定時総会講演会の中で「メカボケーション学生研究発表セッション」を開催する予定で準備を進めている。


         (関西支部常務幹事 蓮尾 昌裕)
 


[2]日本機械学会関西支部 第95期(2019年度)事業実績 (PDF形式)