(社)日本機械学会関西支部

2008.12.8更新


平成20年度「メカライフの世界」展を終えて
(平成20年11月15日〜16日)
関西学生会「メカライフの世界」展実行委員会
 委員長 古跡 孝裕(関西大学)


 (社)日本機械学会関西学生会では,特に小・中学生の皆さんに科学技術への理解と関心を高めてもらいたいと願っています.机上の理論の理解のみではなく,実際に「もの」に触れる機会が大切であり,そのことが今日における青少年の理工系離れの状況改善の一助にもなると確信しています.そこで本学生会では,機械工学を通して小・中学生に対する科学技術教育に貢献することを目的として平成20年11月15日〜16日に神戸市立青少年科学館において「メカライフの世界」展を開催致しました.
 実施にあたり,4月からその意義や意図を検討し,企画と準備のために会議を6回開きました.毎回,各大学の実行委員30余名で実施内容について議論を重ねてきました.また,会場の下見や科学館担当者との打ち合わせ,各コーナー担当と個別の検討会議も行い,万全を期して準備してきました.
 今年度は昨年度に引き続いて神戸での開催であり,新聞・KSMニュース(科学館情報誌)等を駆使して広報活動を行い,認知度が高まった結果,初日は295名,二日目は648名の合計943名という去年を上回る入場者がありました.来場された方は主に小学校低学年の子供達とその家族でした.また,本年度の開催で特に2日目の日曜日に目立ったのは,学生会の「メカライフの世界」展を目的に足を運ばれる方々が多くいたことです.このことから,広報活動の成果が現れたと考えられるともに,神戸において行うことが定着してきたという感触をも得て,多くの方々に,日本機械学会関西学生会の活動を少しでも知っていただける機会になったのではないかと感じております.
 子供達はまず科学館入り口にてフォーミュラカーに試乗でき,ハンドルを握る事や,記念撮影をする事もできました.さらに展示場に来られた子供達はホバークラフトに試乗して,アクロバティックな動きに歓声をあげたり,どれだけ押しても動かないホバークラフトがスイッチを入れるだけで一瞬にして動くようになる様子に不思議そうに目を向けていました.大人はホバークラフトの説明文を読み,用途等に関して学生に質問していました.また,展示コーナーではAIBOが特に人気でした.子供達は実際にAIBOに触れ,楽しそうに遊んでいました.またCVTモデルや手回し計算機は大人に人気があり,興味深く動きを観察し,仕組みについて質問していました.他にもプレートを置くだけで音が消える消音機や,ドライヤーの風を当てるだけで回り始める形状記憶合金の水車,光を当てるだけで回る密閉された入れ物の中の風車等,子供達は目の前で次から次へと起こる機械の不思議な現象を見ながら,何故そのような事が起こるのかと学生や大人に質問していました.それに対し大人も真剣に原理や用途について学生に質問し,学生と共に子供達に教えていました.またレスキューロボットのブースでは子供達がロボットを操縦し,ロボットが捉える瓦礫の中の映像を真剣に見ていました.
 工作コーナーでは,有料工作コーナー,無料工作コーナー共に本年度も好評で,特に有料工作コーナーは朝の一部を除いて全ての工作ブースが休み無く稼動し,2日間で用意した174個(高学年向け:54個,低学年向け:120個)全てが売りきれるような盛況ぶりでした.
 また,今年度は関西支部シニア会の協力により原理を学びながら工作を行う理科工作教室を企画し,土曜日に「よくまわるコマ」,日曜日に「レーシングカー」をそれぞれ実施しました.「よくまわるコマ」は20名の参加があり,小学校低学年以下の子には少し難しかったようでしたが,自分の作ったこまが良く回る様子を見て,驚きの目を向けていました.「レーシングカー」は日曜日に行ったためにすぐに参加人数の38名に達しました.工作がやさしかったため,余った時間で自分の車にいろいろな装飾を施し,工作を楽しんでいたようでした.工作後の試走も楽しんで頂けたようでした.
 以上,本年度の「メカライフの世界」展でも,地域の小・中学生に実際のものに触れ・体験することによって科学技術への理解・関心を高めることが出来たと思います.さらに小・中学生の子供達は工作体験を通じてものづくりへの興味も増したと思われますし,工作体験の指導を行った大学生との交流を通じても,互いに良い成果を得たと思います.
 今後もこのような活動を通じて本学生会が社会に対して少しでも貢献できればと思うと共に,学生会自身の発展にもつながっていく事を期待しています.

<当日の模様>
 



参考:平成20年度「メカライフの世界」展のご案内


関西支部ホームページ