(社)日本機械学会関西支部


平成18年度「メカライフの世界」展を終えて
(平成18年12月2日〜3日)
龍谷大学 修士1年 板井 雄大


 (社)日本機械学会 関西学生会では,今日における青少年の理工系離れは,机上の理論の理解のみで,実際に「もの」に触れる機会が少ないことなどが原因であり,この理工系離れの状況改善のためには,科学技術への理解と関心を小・中学生を中心として,広く一般の方々が持つことが必要だと考えております.そこで,様々な物理現象の実演・体験や,様々な機械で楽しく遊ぶことを通して,広く科学への興味を持ってもらう機会を社会へ提供することを目的として「メカライフの世界」展を開催致しました.

 平成18年度は,会場内に,制振振子,空気砲,形状記憶合金,機械模型,ペットロボット,レスキューロボットを展示し,科学技術や機械工学の不思議や楽しさを実際に体験していただく機会を提供いたしました.工作コーナーでは,昨年同様のスカイスクリュー,糸巻き車,紙飛行機 などの無料のものづくり体験コーナーに加え,市販の電子工作キットを利用した有料のものづくり体験コーナーを企画いたしました.またロビーでは,手作りホバークラフトの体験試乗に加え,テレビに登場した段差乗越機構付車椅子のデモンストレーションと実際に触れていただく企画を実施いたしました.

 入場者数は初日が202名,二日目が576名の合計778名でした.小学生の大半がまず,ホバークラフトに試乗し,その間に大人はレジュメより,ホバークラフトの仕組みを学び,それを子供に教えていました.次に段差乗越機構付車椅子の体験をし,大人も子供も段差を乗越えたときに歓声をあげていました.また,会場内の原理展示コーナーでは機械模型・制振装置が特に人気でした.子供は実際に機械に触り,興味を持ち,大人は機構を理解し,それを子供に教えていました.他にも子供は空気砲で煙の輪が飛ぶ所に,大人は形状記憶合金が元に戻るところに感心していました.ロボット体験コーナーでは,やはり,AIBOが人気でした.来場者の中にはAIBOと遊ぶためだけに来られた方もいました.また,ヘビ型レスキューロボットについてですが,今回は動いていなかったので,子供よりも大人の方が興味を持たれていました.アンケートの中には『今後の活躍に期待』との意見を多数の方からいただきました.

 無料の工作コーナーについてですが,こちらは本年度も好評で,アンケートからも『平面から立体ができるのが面白かった(紙飛行機)』や『身近なものを使って簡単に空を飛ぶものが作れた(スカイスクリュー)』などの意見をいただき,工作目的で来場された方も少なくありませんでした.中には二日間とも来られた方もおられました.次に,本年度より行った有料の工作コーナーですが,こちらも大好評でした.企画当初は売れ残る恐れも考え,“100個限定”として広報活動を行ったのですが,最終的には途中で買い足し,117個売れました.来場者の中には事前に関西支部に問い合わせをし,開場と同時に作りに来られた方もおられました.そして,無料・有料の両方で『作ることの楽しさを学んだ』とアンケートでも書いていただきました.

 以上,本年度の関西学生会主催の「メカライフの世界」展は,地域の小・中学生の科学技術に対する好奇心を高めるという点で成果を挙げることが出来たと思います.さらに普段家庭や学校では体験できないような工作によって“ものつくり”に対する興味を持たせることが出来たと考えています.

       

        



参考:平成18年度「メカライフの世界」展のご案内


関西支部ホームページ