見学会
(社)日本機械学会関西支部

 第83期定時総会見学会参加記録

 
日時: 平成20年3月13日(木)12:20~17:30
見学先: 明治乳業(株) 関西工場(貝塚市)
参加人数: 36名+事務局3名

 貝塚市の海浜地域にある明治乳業(株)関西工場は、ヨーグルト・プロバイオティクス事業の中心として、2005年10月から生産を開始した最新鋭の工場である。 正門に近づくと、清潔感漂う真っ白な工場が目に入ってくる。 工場周囲には、小規模ではあるが、風力や太陽光発電設備が設置されている。自然との調和を考慮した遊歩道や外灯も印象的で、先進さを感じさせる。 

 見学に先立ち、PR施設であるヨーグルト館にて、関西工場の紹介ビデオに加え、工場設計のコンセプトについて説明を受けた。 
 見学の前半は、工場周りを徒歩で一周する形で、屋外にある環境・エネルギー関連設備(自然エネルギー利用、廃棄物処理、コジェネ、過冷却製氷技術利用等)を中心に見学した。 廃棄物処理関係では、自動計量器による廃棄物量の個別把握システムを始め、紙パックからリサイクルしたトイレットペーパーの工場内での使用や廃棄物運搬車のGPS監視などの紹介があった。 また、過冷却製氷技術により造られるシャーベット氷の特長を活かした品質管理技術や保冷車の省エネ技術は、この分野特有の興味深い内容であった。
 再びヨーグルト館に戻り、休憩をはさんで、2班に分かれてヨーグルトの製造工程を見学した。製造現場を左右に見下ろす形で設置された、およそ100mのガラス張りの真直ぐな見学通路。 もちろん、製造現場とは遮断された空間である。 要所にはモニターが設置されており、工程の詳細な説明や部分的な拡大画像が写るようになっている。 殺菌および培養は“静”の工程である。 ステンレス製のタンクと複雑な配管で主に構成されている設備は、外観上、ほとんど動きが無い。 そこを過ぎると一気に“動”の工程に移る。 このギャップは大変印象深かった。 ヨーグルトや牛乳の充填、ラベリング、梱包等の大量生産工程では、その正確さとスピードに圧倒される。 例えば、牛乳のビンへの充填速度は400本/分・台である。 動きも独特であり、いくら見ていても飽きない。 そのほか、床の色分けによる清浄度のゾーニングや人の動線を考慮したラインの立体的な配置など、参考になる点も多々あった。
 質疑応答では、ヨーグルトの中身に関する事から、品質について、更には工場立地に関わる事など、幅広いやり取りがなされ、有意義な見学会であった。

 最後に、企画段階から当日の対応まで中心になってご協力頂きました浅野課長を始め、原田旧館長、北村新館長、粟井課長、鈴木係長、佐藤主任、後藤主任に対し、厚く御礼申し上げます。

   日本機械学会関西支部 企画幹事
   川端克宏(ダイキン工業(株))