(社)日本機械学会関西支部

2007.9.28更新


関西支部企画 市民フォーラム 報告
「技術者の地位の向上を目指して」
(平成19年9月9日)


 2007年度年次大会において関西支部が企画した市民フォーラム「技術者の地位の向上を目指して」が平成19年9月9日(日)の午後に関西大学千里山キャンパス第2学舎5階 A501教室において開催されました.本フォーラムは関西支部が関西支部シニア会の協力を得て,平成19年2月17日に独自開催した企画の第2弾で,「ものづくりを担う優秀な人材は科学技術立国の主役でなければならない.しかし,現状では若者の理工学離れが進んでおり,その要因として技術者の地位・処遇の低さが指摘されている.」という問題を政治・行政・大学・産業界の方々を講師に迎えて広い角度で話し合い,解決策を見出すことを目的としました.
 当日は,各方面で活躍されている参加者(63名)と各講師とで熱い討論がなされました.その結果,1.技術者の社会貢献,2.ヒーロー的な技術者の出現(“○○社の△△を開発した◇◇さん”など),3.能力などに見合った給料(とくに初任給),4.世界的な自由競争をしている製造業で給料を上げることが可能か(規制の枠で自由競争をしていない業界の給料が高いのが問題),5.学会の役割,6.技術者が「武士は食わねど高楊枝」でいいのか,7.政治とのかかわり等いくつかの視点が提案されました.
 この問題は,日本の将来を左右する非常に重要な問題でありながら,表立って議論されて来ませんでしたが,今後は当フォーラムをきっかけとして,多くの機会で取り上げられることを願います.なお,当初予定していた産業界からの講演は,残念ながら講師所属企業の都合により,急遽中止となりました.
 最後に本フォーラム開催に際して,講師の皆様と参加いただいた方々ならびに運営面でご協力いただいた関西大学の先生および学生の皆様に厚く御礼を申し上げます.

  <当日のプログラム>
1.「何を変えるべきか-現実を直視して-」
    工学院大学理事長 大橋秀雄 氏〔元日本機械学会会長〕
2.「人材育成,今こそ産学連携を」
    経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進課課長 吉澤雅隆 氏
3.「夢出せ!知恵出せ!元気出せ!」
    衆議院議員 中央政治大学院・学院長 小野晋也 氏
4.「大学での工学教育と社会との接点-工学的教育を考える-」
    大阪大学大学院 工学研究科長 豊田政男 氏
5.講演講師をパネラーとした総合討論
    【コーディネータ】京都大学大学院教授 松久 寛 氏

<当日の模様>



参考:日本機械学会2007年度年次大会 関西支部企画市民フォーラム「技術者の地位の向上を目指して」のご案内